5代目社主 岡野博一

5代目社主 岡野博一
失われつつある日本の文化を再認識し、
世界へ発信することが私の使命です。

OKANOのルーツである伝統的工芸品「博多織」は、2000年前の日本最古の絹織物とされる系譜を受け継いでいます。世界最古の縄文土器を起源とする日本の工芸品は、世界的にも重要な意味があります。工芸品には、風土から生まれた文化が凝縮されています。風土に根ざした暮らしが薄れ、欧米化が進み、地球上から多くの文化が失われています。日本が1万年の歴史で積上げてきた文化を継続することは、多様性による豊かさの象徴として重要です。西洋一辺倒の画一化から脱して、文化の多様性と調和が新世紀の豊かさを生み出すでしょう。日本は、島国という閉鎖形の中で、「和」という手法を習得しました。文明の発展により、地球が宇宙の中での閉鎖形である認識に立てるようになった今、「和」の力を地球規模で活かす時代が来たのだと思います。失われつつある縄文から続く真の日本文化を再生し、世界へ発信することが私の使命です。

プロフィール

1971年、福岡県生まれ。明治大学政治経済学部卒業後、人材コンサルティング会社設立。26歳の時に、本家が営んでいた博多織元を買受、代表就任。廃業寸前の現場に直面し、伝統工芸再生に使命感を持つ。アーティストをプロデュースする株式会社風土代表、有田焼開祖の系譜を受け継ぐ李参平窯顧問、博多織工業組合理事長なども務める。アーティスト小松美羽と有田焼をコーディネートし、その作品が大英博物館に収蔵され、伝統工芸と現代アートの融合の可能性を追求する。欧米の伝統工芸を由来とするラグジュアリーブランドの世界的成功事例を学び、伝統工芸の再起のヒントを得る。博多織をルーツとするOKANOをGINZA SIXなどへ出店、世界ブランド化への起点をつくる。日本最初の禅寺、日本最初の密教寺院の袈裟や織物アートの制作なども自ら手がける。